こんにちはnaviです。
今回の記事では、作業療法士である私が痛みの軽減を意識して行っている食事をご紹介していきます。
ぜひ最後まで読んで、毎日の食事にお役立てください。
毎日の楽しみのひとつである食事!
健康な時には特に気にすることなく、好きなものを食べていると思います。
しかし病気になると、自炊は勿論のこと食事自体が面倒になりがちです。
私、naviも線維筋痛症になって痛みが強すぎて、咀嚼すら困難な時期がありました。
その時期はゼリーやカロリー食を摂取していましたが、順調に症状が悪化しているのを感じていました。
本記事では、線維筋痛症患者が食事にこだわるべき理由をまとめています。
この記事で分かること
- 食事内容で、痛みは変化するのか?
- 線維筋痛症患者におススメな食品・食事。
- 食事内容を変更してみた結果!
毎日の食事を少し工夫するだけで、効果が出る場合もありますよ。
食事内容で線維筋痛症の痛みは変化するのか⁉
結論から述べると個人の体質や病気の状態によって差はありますが、一般的に『食事の内容は痛みの変化に関係がある』といえます。
慢性痛は、興奮性アミノ酸である「グルタミン酸」の放出によって媒介されると考えられています。
グルタミン酸はAMPA受容体に作用し、脳と末梢の両方で活動電位を持続させる働きがあります。
異常なグルタミン酸作動性神経伝達は、下記疾病への関与が指摘されています。
・FM
・顎関節障害
・過敏性腸症候群
・うつ病
・片頭痛
・そのほか疼痛全般侵害受容中にグルタミン酸と共に放出されるサブスタンスPは、血液脳関門(BBB:blood-brain barrier)の透過性を高めることが示されています。
BBBは通常、高濃度の食物性グルタミン酸から脳を保護しています。
しかし、中枢性感作中に観察されるサブスタンスPの増加により食物性グルタミン酸が脳に入りやすくなることで、FMの症状に影響を与える可能性があります。
FMおよび片頭痛患者において、脳脊髄液中のグルタミン酸濃度が高いこと、FM患者に対するMRIを利用した複数の研究においても、脳のグルタミン酸レベルが高くなると報告されています。
日本オーソモレキュラー医学会
https://isom-japan.org/article/article_page?uid=94KIJ1582773131
引用元はこちらです。
上の引用記事は、フェリシティークリニック名古屋の『河合 隆志先生』により執筆された記事の一部です。
この記事では、慢性的な疼痛が【グルタミン酸】と【サブスタンスP】によって引き起こされる可能性が示唆されています。
グルタミン酸は興奮性神経伝達物質、サブスタンスP は痛覚に働く神経伝達物質なので過剰に摂取すると痛みが強化されることになるのです。
そして【グルタミン酸】と【サブスタンスP】は食品から人体に取り込まれるので、食事と痛みには密接なかかわりがあると言えるでしょう。
少し注意が必要になるのですが、記事内の【グルタミン酸】は食品添加物内に含有される【グルタミン酸ナトリウム】を指し、肉類や大豆類から摂取できるものとは異なるという点です。
【グルタミン酸】自体はタンパク質の構成要素で、タンパク質はからだの細胞の構築、修復、機能維持に必要な物質なので適正量の摂取は問題ではありません。
このようなことから、痛みを少しでも軽くしたい場合、食品に含まれる添加物に意識を向ける必要があります。
痛みの緩和が期待できる栄養素
痛みの緩和が期待出来る栄養素はひとつだけではありません。
この項目では、疼痛緩和作用を持つ栄養素を紹介していきます。
マグネシウム
マグネシウムは、NMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体に対してある程度のブロッキング作用を示すことが知られています。
マグネシウムによるNMDA受容体のブロッキング作用は、神経細胞の興奮性を制御することに寄与!
過剰な痛みの伝達に関与するNMDA受容体の機能を抑制することで、痛みの緩和に働きます。
亜鉛
亜鉛は神経伝達に関与して、興奮性および抑制性の応答に影響を与えます。
興奮性応答に関してはNMDA受容体およびAMPA受容体に対して抑制効果を示します。
また、抑制性応答に関してはGABA受容体を活性化することで、興奮性応答を抑制する役割が期待できるのです。
ビタミンB6
ビタミンB6は、セロトニン、ドーパミン、ノルエピネフリン、ガンマアミノ酪酸(GABA)などの神経伝達物質の合成に必要な酵素の働きを妨げ、痛みの感覚や閾値を調節し、神経伝達物質のバランスを維持することで痛みを緩和します。
また、ビタミンB6は、炎症を引き起こすサイトカインの生成を抑制するとされており、炎症性疼痛の緩和にも期待できると言えるでしょう。
オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸は、炎症を引き起こす『プロスタグランジン』や『ロイコトリエン』の生成を抑制し、抗炎症作用を示します。
これにより、炎症性疼痛が緩和される可能性があります。
また、痛みの感覚や痛み閾値を調節する神経伝達物質のバランスに影響を与え、疼痛の調整に関与しているとされています。
【各栄養素と含有量の多い食品】
マグネシウム | 玄米・ほうれん草・アーモンド・ピスタチオ・カシューナッツ・ひじきetc. |
亜鉛 | 牡蛎・豚レバー・牛赤身・たまご・カシューナッツ・木綿豆腐・牛乳 etc. |
ビタミンB6 | 生ニンニク・ピスタチオ・ドライバナナ・牛レバー・ドライトマト etc. |
オメガ3脂肪酸 | マグロ・サバ・サンマ・なたね油・キャノーラ油・チアシード etc. |
上の栄養は、不足すると痛みが増すことが確認されています!
実際に食事内容を変更してみた結果⁉
食事変更による痛みの変化!体験記
私が線維筋痛症と食事の関係を知ったのは、発病から半年ほど経過した頃です。
その頃の疼痛はステージ5~4をいったり来たりで、ほぼ寝たきりで生活を送っていました。
食事は自炊だけでなく咀嚼もつらかったので、ゼリーやカロリー食がメインでたまにジャンクフードを摂取していました。
線維筋痛症の情報を探すなかで食事によって症状の改善が期待できることを知り、魚の缶詰とサラダ中心の食事に変更したのです。
はじめは特に変化はみられませんでしたが、徐々に変化が出て来ました。最初に変わったのは便通です。
運動量の低下と薬の副作用でいつも便秘気味だったのですが、食事を変更して2ヵ月ほど経過した頃から毎日快便になったのです。
便秘が解消されると、少しづつ腹部の痛みと不快感、頭痛が軽減するのを実感できました。
そして半年が経過する頃には、痛みはステージ3~4くらいに落ち着いたのです。
その後は、少しずつ活動量を増やしながら簡単な自炊を開始!
健康的な食事と軽めの運動、服薬で痛みをある程度はコントロール出来るようになり、なんとか仕事ができるようになりました。
前述の文献と私の経験から、線維筋痛症の痛みに対して食事の改善は効果が期待できるといえるでしょう。
まぁ、少し無理すると痛みが増すんですけどね💧
【線維筋痛症の重症度分類】
引用元:線維筋痛症診療ガイドライン 2017「55ページ」
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/minds/FMS/CPGs2017_FM.pdf
引用元はこちらです。
働くためには、ステージⅢまで回復したいところです。
記事の振り返り:食事の改善は線維筋痛症の痛み軽減に効果がある!
食品のなかには痛みを軽減する効果を持つ栄養や、逆に疼痛を増加させる成分を含んでいるものがあります。
このため、線維筋痛症の痛みを軽減するために食事内容を見直し・変更することは効果的と言えるでしょう。
特に『マグネシウム』『亜鉛』『ビタミンB6』『オメガ3脂肪酸』などを多く含んでいる食品を摂取して、食品添加物を避けるとより良い効果が期待できます。
まとめ
本記事では、線維筋痛症の痛みと食事の関係性をご紹介してきました。
食事を改善し食品添加物の摂取を減らすことは、線維筋痛症の症状に対して有益であるといえます。
このためジャンクフードを控え、魚介類と野菜を中心にした食事は線維筋痛症の痛みを軽減に期待ができます。
自身の生活に合わせて健康的な食生活を実践することが、線維筋痛症の症状を抑えることにつながるでしょう。
線維筋痛症患者の方は、食事内容に注意して改善することで痛みの軽減が期待できます。
ただし食事を変更してもすぐに効果だ出るわけではないので、根気よく継続していきましょう。
結局、食事の用意がネックなんですよね…。
コンビニのサラダチキンも手軽で良いですよ!