3ヵ月以上続く原因不明の慢性疼痛に悩んでいませんか?
その痛み、もしかしたら【線維筋痛症】かもしれません。
本記事では、長い期間続いている原因不明の痛みに悩んでいる人に向けて【線維筋痛症】の情報をまとめています。
この記事が役に立つ人
- 3ヵ月以上続く原因不明の疼痛に悩んでいる人
- 線維筋痛症がどんな病気か知りたい人
- 家族や知人が慢性疼痛に悩んでいて、情報を求めている人
病気の対策は正しい知識から!
線維筋痛症とは
「線維筋痛症」とは、3ヶ月以上の長期にわたって、身体のあちこちの広い範囲に痛みが出没し、身体の強いこわばりとともに、激しい疲労感、不眠、頭痛やうつ気分など多彩な症状を伴いますが、病気の原因はまだよくわかっていません。
通常、さまざまな検査を行っても、特別な異常がみられないことから、わが国では線維筋痛症の診断が遅れることがしばしばで、関節リウマチより多い病気ですが、命にかかわる病気ではありません。
現在のところ線維筋痛症を完治させる治療法がなかなかないため、日常生活への影響が大きく、しばしば社会生活が著しく困難となることが大きな問題となります。
引用:公益財団法人 日本リウマチ財団 線維筋痛症
引用元はこちらです。
ここからは、私『navi』の経験をご紹介します。
引用文を読んで比較してみてください。
筆者体験談『線維筋痛症の発症から診断まで』
私『navi』が違和感に気が付いたのは、転職して半年が経過した頃でした。
はじめは、原因の分からない微熱(37.5℃くらい)が続いたことでした。
病院で勤務していたので、休憩時間を利用して検査を受けたのですが何の異常も発見できませんでした。
感染性の病気ではないと診断されたので「疲れているのかな?」と考えて、深く考えずに業務を継続することに…。
しかし、徐々に痛みが出てきます。
最初は手指の先から痛みが出現し、徐々に範囲が広がっていったのです。
背中や膝が痛みを感じる頃には流石にオカシイと思い、色々な病院を受診して検査を重ねましたが結局、異常はみつかりませんでした。
医師からは【自律神経失調症】や【適応障害】などの診断を受けたのを覚えています。
その後も痛みが増していったので【内科】や【神経内科】【メンタルクリニック】などを渡り歩きましたが、原因不明!
痛みが強すぎて不眠が続き、まったく動けなくなり仕事を休みがちになってしまいました。
最終的に医療関係の情報網を最大限に利用して【線維筋痛症】に辿り着きました。
そこから線維筋痛症に強い病院を探して受診したことで、やっと診断がついたのです。
最初の微熱から診断がつくまで、半年ほどの期間を要しました。
この半年は、強くなる痛みを市販の鎮痛剤で抑えながら仕事をしていたので、状態はかなり悪くなっていました。
線維筋痛症の治療のために休職することになるのですが、職場が定める休職期間で完治しなかったため、最終的に退職を余儀なくされてしまいました。
私は上手く情報を得られたからまだ良かったけど、情報が0から手探りで受診していくともっと時間が掛かる可能性も…。
線維筋痛症は、早期治療が大切です。
診断が遅れることは、深刻な問題と言えます!
線維筋痛症の原因
線維筋痛症の原因は、はっきりとは分かっていません。
つまり【原因不明】ということです。
近年では【遺伝的要因】【環境的要因】【心理的要因】などが複雑に絡み合って、病状を生み出していると考えられています。
原因がわからないから、治療がとても難しいのです!
線維筋痛症の症状
線維筋痛症の主な症状は『全身に広がる痛み』です。
しかし、その他にも【倦怠感】【不眠】【抑うつ症状】【集中力の低下】【過敏症状】など色々な症状が出現します。
どの症状も、痛みと同じように厄介で面倒なもので日常生活に大きな影響を与える場合が多いです。
痛み
線維筋痛症では、からだの広い範囲に強い痛みを感じることが一般的です。
痛みは「針で刺されるようにチクチクする」「血管内をガラスの破片が流れているようなズキズキする」「やけどのようにヒリヒリする」のように様々な表現をされます。
痛みが生じる場所は、筋肉や皮膚だけとは限らず、眼球や内臓、血管、口腔内など通常では考えられない部位が痛むことも珍しくありません。
血管や内臓の痛みは、どうすれば我慢できるのか…正直わかりません。
倦怠感
線維筋痛症の患者は、強い疲労感や倦怠感に苦しむことがあります。
この倦怠感はインフルエンザで高熱が出た時のダルさに似ていて、からだを動かすことが困難になります。
まるで重りをつけられたかのようにからだが重くなり、寝返りも打てなくなる事も珍しくありません。
うつ病のように「朝だけが辛く午後に向けて楽になる」ということでもなく、1日中倦怠感が続く事が多いです。
このため、予定された活動を決められた時間内に行うことが難しくなり、社会生活に支障をきたすこともあるのです。
naviは痛みと倦怠感でゴロゴロしてる・・・💧
私、38℃くらい熱が出ても仕事出来るタイプなんだけど…
線維筋痛症になってから、まったく動けなくなったゾ!
抑うつ症状
線維筋痛症になると、【自己評価の低下】【強い不安】【罪悪感】などにより抑うつ状態を経験することがあります。
これは、慢性的に生じる痛みや疲労感、出来ないことが増えていく無力感が引き起こすと言えるでしょう。
この抑うつ状態が継続することで、精神的に摩耗してしまい心因的な痛みを引き起こす原因になってしまいます。
集中力の低下
線維筋痛症患者は、【ブレインフォグ】と呼ばれる記憶力や集中力の低下に苦しむことがあります。
これは、『過度な知覚情報の入力』や『強い疲労』『ストレス』『薬の副作用』などが原因となり認知機能の低下を引き起こすために生じるといわれています。
からだの感覚も鈍くなっているので、手や足を色々なところにぶつけたり巧緻性が低下することも珍しくありません。
これは、naviがいつも言っていますね!
ああぁ、パフォーマンスが落ちすぎて自分にイライラするよ‼
過敏症状
線維筋痛症では、光や音、温度変化に対して過敏になることがあります。
これまで気にならなかった蛍光灯の光が異常に眩しく感じたり、テレビの音が不快に聞こえたりします。
また、湿度や温度によって痛みが増減するため、エアコンを使用しての温度管理が必要になる場合が多いです。
私はイヤホンで音楽を聴けなくなったのが辛すぎる💧
不眠
単純に痛みによって眠れないこともあれば、眠っても痛みですぐに目が覚めてしまう場合も多いです。
痛み以外にも「むずむず脚症候群」を併発して、背中や手足にムズムズした感覚が生じて不眠を引き起こすこともあります。
睡眠の質が低下すると疲労の原因となるだけでなく、症状の悪化につながることは否定できません。
睡眠導入薬の使用だけでは、対策として不十分な場合もあります。
少しでも快適に睡眠がとれるように、環境を調整する必要があるでしょう。
線維筋痛症では、不眠を改善することが課題のひとつになります。
只々「規則正しい生活を送れ!」と指導するだけではなく快適な環境を整える必要があります。
「むずむず脚症候群」は服薬で対応できる可能性が高いです。
早急に医師に相談することをおススメします。
線維筋痛症の治療
線維筋痛症は、発症の原因が不明なので根本的な治療方法は確立されていません。
このため治療の多くは、症状を緩和する目的のものとなります。
病状や治療効果は人によって異なるので、担当医と相談しながら対応することが多くなるでしょう。
出来るだけ正確に症状を伝えることで、治療の進みが良くなります。
薬物療法
線維筋痛症の疼痛を緩和するために、抗うつ薬や抗けいれん薬、鎮痛薬などが処方されます。
人によって効果は違うものの、かなりの確率で痛みの緩和が期待できるので、かなり有効的な治療方法です。
ただし、薬物には副作用がつきものなので、効果や副作用を細かく医師に報告しながら増減・変更を行うことになります。
【線維筋痛症で使用される主な薬物】
抗うつ薬 | 痛みを抑制して、筋肉の緊張を和らげる。気分を楽にしてリラックスする効果もあるため痛みによる抑うつ状態の改善が期待できる。 | ヂュロキセチン、ミルナシプラン、トリプタノールなど |
抗痙攣薬 | 神経細胞の異常な興奮を抑制する効果があり、過剰に伝達される痛みの信号を抑制する効果が期待できる。 | プレガバリン、ガバペンチン、カルバマゼピンなど |
鎮痛薬 | 痛みの信号を減弱させて疼痛を緩和する効果がある。 | トラムセット、アセトアミノフェン、ノイロトロピンなど |
運動療法
線維筋痛症の痛みに負けて動かずに過ごしていると、痛みが強くなってしまいます。
原因は、運動量の低下によって起きる廃用症候群です。
廃用症候群は、長期間の安静臥床によって生じる健康問題で【筋肉の萎縮】【関節拘縮】【骨密度の低下】などが典型的な症状です。
この廃用症候群を予防するためには、適度な運動を行い筋力や機能の回復を促す必要があります。
ただし、運動により痛みが増加することも多々あるので、医師の指示やリハビリスタッフの指導に従い運動を行いましょう。
家族が無理やり運動をさせる場合がありますが…
痛みが増加することもあるので、勝手な判断は厳禁です!
物理療法
温熱療法や冷感療法、マッサージなどの治療法は、筋肉の緊張を緩和して心身ともにリラックスさせる効果があります。
特に、温熱療法やマッサージは循環の改善も期待出来るため疼痛緩和に期待が出来る治療法です。
また、ストレッチによる柔軟性の維持や鍼灸も痛みを和らげる効果があります。
疼痛部位を優しくさするだけでも効果は抜群です。
ご家族様は、是非試してみて下さい。
手当の基礎や語源だね!疼痛緩和効果は科学的にも証明されてるよ。
興味があればゲートコントロールセオリーで調べてみてください!
認知行動療法
認知行動療法は、心理療法のひとつで「思考と行動の関係を重視し、患者が抱える問題や改善を目指す」ものです。
基本的な考え方は「問題や症状が単に外的状況や出来事によって引き起こされるのではなく、それらの状況や出来事をどのように解釈し思考するかによって影響を受ける」となっています。
患者の考え方や行動を根本から変えていき、病状の改善を目指す治療法です。
認知行動療法は、メンタル系の疾患の治療に使われることが多い治療法です。
患者と治療者が共同で治療計画を立て、治療に取り組みます。
線維筋痛症では、痛みが発生することになった行動や考え方を洗い出し改善するために利用されます。
古くは『言霊』、最近では『引き寄せの法則』の考え方に近いです!
思考と行動を「前向きに活動できるよう」に変えていくと考えると分かりやすいかも?
記事の振り返り:線維筋痛症の治療には病気の知識、早期発見、周囲の理解が大切!
線維筋痛症の治療には、早期発見と病気に対しての基礎的な知識、周囲の人達の理解が重要です。
患者に対して治療を急かすのではなく、受容的な態度で接してストレスを軽減することが症状緩和への近道と言えるでしょう。
まとめ
本記事では、線維筋痛症の基本的な情報や治療の知識をご紹介してきました。
線維筋痛症は広範囲の筋肉痛や関節痛、疲労感、睡眠障害などの複雑な症状を伴う慢性的な疾患で、日常生活や仕事に大きな影響を与えることがあります。
また、原因や根本的な治療法は未だには解明されておらず、遺伝的要素やストレス、感染症などが関与しているとされており、早期の治療開始が予後に大きく関わります。
診断が遅れることで、苦しみが長引き予後が悪化することがあるので、病気の正しい知識と適切な対応が必要といえるでしょう。
線維筋痛症は、低い知名度が仇となり診断が付きにくい状況があるため、患者にとって深刻な問題を引き起こします。
また、完全な治療が難しい病気なので医療従事者や家族の理解と支援が非常に大切です。
本記事が線維筋痛症の情報を提供することで、患者さんやご家族がより良い生活を送れるようになれば幸いです。
本記事を最後まで読んで頂きありがとうございます。
線維筋痛症の治療に焦りは禁物!
焦らず対応していきましょう。