こんにちはnaviです。
今回の記事では、最近話題の『気象病』について作業療法士が調べてみました。
このような悩みを抱えていませんか?
痛みに耐えかねて、周囲の人に相談してみるけど「まっさか~w」「気のせいジャナイ?」と本気にしてもらえない…。
これはリハビリ業務をしていると、高齢の方を中心に多くの闘病患者さんから聞く問題です。
このように天気や気温の変化によって体調が変化する症状は、以前は名前がなかったのですが、近年では『天気痛』や『気象病』と呼ばれるようになっています。
今回の記事では『気象病』は本当に存在するのか?なぜ起こるのか?を作業療法士としての視点でご紹介したいと思います。
この記事で分かること
- 『気象病』とはどんな病気?
- 『気象病』は本当に存在するのか?
- 『気象病』はどうして起こるのか?
『気象病』を理解すると、今まで悩んでいた原因不明の体調不良が納得できるかも!!
『気象病』は本当に存在するのか?
結論から言ってしまうと【気象病は実際に存在します】
普通に生活をしていると聞きなれない名前なので、仮病のように考える人もいますが『気象病』は近年非常に注目されている病気です。
作業療法士としての私の経験を述べると『気象病』の名前が知られる以前から、高齢者を中心に天候が変わると不調を訴える方がたくさん存在していました。
『雨の前になると膝が痛い!』と訴える高齢の方を見たことがあると思います。まさにこの現象が『気象病』です。
昔からあった現象に、医学的な名前がついたと思っていただければ良いかと思います。
気象病とは
気象病は、対象となる人がもともと持っていた病気の症状が、天気の変化に影響されて出現したり悪化する病気です。
その症状は頭痛や関節痛、古傷の痛み、めまいや肩こり、気分の落ち込みなど多岐に渡ります。
関節リウマチや片頭痛を持っている場合は、気象病の症状が顕著に出現するという報告があります。
気象病の原因
気象病が起こる原因は、気圧や気温、湿度の変化を人間の体が感知して環境に適応する機能が関与しています。
ひとつ例を挙げると、気圧が低下すると血管は拡張するのですが、これはホメオスターシス(恒常性)の働きによるもので体の状態を一定に保とうとするメカニズムです。
簡単に説明すると、ポテトチップスの袋を持って山登りをしたことがある人は、山頂でパンパンに膨れたポテチ袋をみたことがあると思います。
これは外気圧が低下した結果、袋内の圧力の方が高くなり、内側から袋を押しているために起こる現象です。
気圧が低下すると人間の体内でも同じような現象が起きるのですが、その度に体が膨れたり縮んだりると非常に厄介なことになってしまいます。場合によっては命にもかかわるでしょう。
そのため人間の体は、血管を拡張して血流量を変化させることで、血圧や体内にある空洞部分の気圧を調整。
出来るだけ外気圧と体内の圧の差を小さくしようとするのです。
しかし、結果として血流などが変化するために頭痛や関節痛などの症状が出ると考えられています。
このような現象が、体のいたるところで起きるのが気象病の原因なのです。
外環境の変化は内耳で感知され、自律神経が働くことで体内の圧の調整が始まります。
気象病への対策
気象病自体の根本的な治療方法は存在しません。
そのため、服薬やマッサージなどでの対応と事前の予防が重要になります。
健康的な食事と水分補給、十分な休息と睡眠に加えて適度な運動とストレス管理をしっかり行い気象病に備えましょう。
気象病対策マッサージ
気圧や気温の変化は耳の奥の【内耳】で感じ取るので、耳の周囲をマッサージしたり温めることで気象病の緩和が期待できます。
天気の変化と共に頭痛や関節痛が始まったら、以下の方法を試してみて下さい。
耳たたみ
耳の上部と下部を人差し指と親指でつまむようにして畳みます。
その後5秒キープして指を離します。
耳ひっぱり
耳をつまんで上・下・横にそれぞれ5秒引っ張ります。
耳回し
耳を摘まんで軽く横に引っ張りながら後ろ方向に5回回します。
耳回しⅡ
手のひらで耳を覆って、円を描くように後ろ方向にゆっくり5回回します。
温熱療法
耳の後ろに骨の突起があり、これを【完骨】と呼びます。
完骨の少し下を温かいペットボトルや蒸しタオルで温めます。
気象病への予防一覧
基本的に健康な生活を送るように心掛けてください。
気象病に対する予防!
- 健康的な食事と水分補給
- 十分な休息と睡眠
- ストレス管理
- 適度な運動
記事の振り返り:気象病は人体の維持機能の働きによって起こる!
『気象病』は外気圧の変化に対して、カラダの状態を維持しようとする機能が働くことで起こります。
この現象を根本的に防ぐことは出来ないので、事前の予防と服薬やマッサージによる対応が必要です。
リウマチや片頭痛などの持病があると、気圧の変化に敏感に反応する様です!
まとめ
『気象病』は、天候や気温・気圧の変化によって生じる体調不良全般を指す言葉で、名前が知られるようになったのは最近ですが、病気自体は昔から存在していました。
原因は人体が気圧や気温の変化に対して、身体の状態を維持しようする機能だと考えられています。
この機能が働くことで、血管や筋肉が縮小・拡張して血流が変化するために頭痛や関節痛などを引き起こすのです。
ただし『気象病』は、まだまだ研究の段階であり、そのすべてが完全に解明されたわけではありません。
また、気象病によって受ける痛みや倦怠感は、個人の体質や感受性、健康状態によって変わるため、耐えがたい症状が続く場合や生活に支障をきたす場合には、医師に相談することをおススメします。
最後まで読んできただきありがとうございます。
本記事が『気象病』で苦しむ方のお役に立てば幸いです。
日頃の生活を健康的に行い、症状の緩和に努めましょう!