こんにちはnaviです。
線維筋痛症に悩むみなさま、疼痛緩和のために入浴は活用していますか?
今回の記事では、線維筋痛症患者で作業療法士の私がリハビリ職の知識をもとに入浴の効果をご紹介していきます。
こんな悩みを持っている線維筋痛症患者さんは少なくないでしょう。
私、naviも体のこわばりと痛みには悩まされています。
担当医の話では線維筋痛症で長く闘病しているひとは、体が痛いだけでなくこわばりや筋肉の硬さが出現するケースが多いらしいです。
この厄介な痛みやこわばり、一時的にではありますが日常的に行っている入浴で緩和することが可能かもしれません。
今回の記事では、入浴で線維筋痛症の疼痛緩和が期待できる理由を、リハビリ的な視点を交えながら紹介していきます。
この記事で分かること
- 入浴がもつリハビリ的な効果。
- 作業療法士が入浴をおススメする理由

比較的簡単に実行できて、効果が期待出来るので最後まで読んでみて下さい。
入浴は線維筋痛症に効果があるか?

結論から述べると『医学的に考えると入浴は、線維筋痛症の疼痛緩和に効果がある』となります。
日常ではあまり気にすることはありませんが、入浴には痛みの緩和に対して効果的ないくつかの理由が存在するのです。
次の項目では、naviが作業療法士として入浴をおススメしているリハビリ的な理由を簡単に説明していきます。

当然のように個人の体質や病気の状態で、効果に変化がありますが…
これはお約束ですね💧
作業療法士おススメの入浴効果!
お風呂に限らずプールのような水中に浸かることでも、色々なリハビリ的な効果が得られます。
しかし、今回は線維筋痛症の痛みやこわばりの改善に注目したいので、お風呂の持っている効果をピックアップして説明していきます。

温泉のものになりますが、こちらに入浴効果の研究があります。
温熱作用

血管拡張
温かいお湯に浸かると体が温まり、血管が拡張!
血流量が増えて血液循環が良くなります。
それに伴い不要な老廃物や代謝物質の排出が促されます。
血液中の老廃物や代謝物質は、痛みのもとになる成分なので排出が促されることで痛みの緩和が期待できるのです。
リラックス効果
38~40℃くらいのお湯に浸かると副交感神経が優位に働き、心身がリラックスします。
心身がリラックスすることで、筋肉の緊張もほぐれるので疼痛緩和やこわばりの改善が期待できます。
脳内物質の放出
温水に浸かると、脳内で『エンドルフィン』の放出が起こるとされています。
エンドルフィンは人体が生産する鎮痛剤で、幸福感を高め心身をリラックスさせると共に、痛みを軽減する効果を持っています。
水圧作用

首までお湯に浸かった場合、およそ520kgの水圧が体にかかります。
この水圧は全方向から均等に掛かっているので、過度に負担を感じることありませんが、優秀なマッサージ効果を持っています。
筋肉を揉みほぐすだけでなく、下肢の血液循環を改善させる効果もあるためリンパや血行の改善に役立ちます。
浮力作用

水中では浮力が働き、体重がおよそ10分の1に軽減されます。
重力から解放されることで、下肢や体幹にかかる荷重が軽減され筋肉の緊張が緩和されます。
関節にかかる負担も軽減されるため、疼痛緩和やリラックス効果を得ることが可能です。

基本的にはお風呂に入ると、リラックス出来て痛みの緩和が期待できます。
入浴を嫌がる患者様には、これらを説明して誘導しています。

効果的な入浴方法

家庭で入浴の効果をしっかりと享受するには、いくつかの注意点があります。
何も考えずに入浴すると、良い効果が得られないだけでなく逆に悪影響が出ることがあるので注意が必要です。
温度
お湯の温度は38~40℃に設定します。
これは副交感神経を、効果的に機能させるために最適な温度とされています。

41℃以上のお湯では、交感神経が働き緊張してしまいます!
低い方はぬるま湯なら良いですが、冷たい水になると交感神経が働いてしまいます。
時間
入浴時間は20~30分くらいが良いでしょう。
お風呂に入るとリラックス出来て気持ちがいいので、長くお湯に浸かっていてくなりますが、発汗作用によって脱水の症状を起こしたり水圧で疲労してしまうので注意が必要です。

私はペットボトルの水を持ち込み、1時間くらい半身浴しています。
頻度
入浴の頻度は、1日1回ていどが適切です。
痛みが緩和されるため1日に何度かお湯に浸かりたくなりますが、疲労のもとになるので何度も入浴するのは避けた方が無難です。
また、入浴に慣れていない人であれば、週に2~3回くらいからはじめると良いでしょう。
j自分で判断がむつかしい場合は、医師と相談のうえで決めてください。
持病
全身浴をすると、下肢から心臓に血液が押し戻されると同時に胸部も圧迫され、胸腔内圧が高くなります。
心臓や血管に負担がかかるため注意が必要です。
心臓や血管に持病がある人の場合は、半身浴にとどめておくと心肺機能への負担を軽減することができます。
半身浴では、ベッドに横になっているのと同じくらいの力で血液を心臓に送るので、全身浴よりも負担が少なくなり心疾患や高血圧の方にもお勧めです。
効率的な入浴方法まとめ
- お湯の温度は38~40℃に設定する。
- 入浴時間は、20~30分程度にする。
- 心臓に疾患がある場合や高血圧の人は半身浴にとどめる。

持病のある方や入浴が困難、気になることがあるなどの場合は、担当の医師に相談して指示を貰って下さい。
記事の振り返り:線維筋痛症には入浴がおススメ

入浴は線維筋痛症の痛みやこわばりに対して効果が期待できます。
入浴には【温熱】【マッサージ】【浮力】といった働きがあります。
心身のリラックス、血行改善、緊張緩和などにより痛みやこわばりの改善に効果的です。
ただし、その効果は個人の体質や病状によって差が出てきます。
実践する前に、担当の医師に相談して指示をもらいましょう。
まとめ

本記事では、入浴が持つ効果や線維筋痛症の痛みやこわばりに対しての有効性をご紹介して来ました。
入浴は医学的にみると疼痛の緩和に期待ができますが、その効果は個人の体質や病気の状態によって差が出てきますし、線維筋痛症の病気の根本を治療する行為ではないため、一時的な痛みからの解放と考えていただけると幸いです。
また、適切な方法で入浴をすることでリラクゼーション効果と安らぎを得ることが出来ますが、誤った方法では逆効果になってしまいます。
自身の体質や病気の状態に合わせて、無理なく正しい入浴を行ってください。
この記事が線維筋痛症の理解と痛み管理に役立つことを願っています。

痛みやこわばりを放置すると、筋肉の短縮や関節拘縮などに発展する恐れもあります。
入浴は、二次的な病気の発生を予防するためのメンテナンスと考えて下さい。