こんにちは、naviです!
本記事では、退職後も『傷病手当金』を継続して受給する方法を分かりやすく解説します。
ケガや病気で仕事に就けない時に支給される『傷病手当金』
毎月ごとに受給しながら療養している場合に気になるのが、『もし退職した場合、いつまで受給が出来るのか!』だと思います。
職種や会社ごとに違いはありますが、長期間病気療養していると【退職】を促されることがあります。
ケガや病気で苦痛や不安を抱えているところに、退職後のお金の不安まで追加されるのでは、たまったものではありません。
本記事では、『傷病手当金』が退職後も受給出来るのか?その方法は?という疑問に出来るだけ簡単に答えています。
この記事が役に立つ人
- 傷病手当金の受給を検討してる。
- 傷病手当金を受給して療養中だが退職の予定がある。
- 療養中だが会社から退職を促されている。
naviが退職した時の体験も載せているので、是非最後まで読んでみて下さい。
傷病手当金は退職後も受けとれるのか⁉
結論から言うと、『傷病手当金は退所後も継続して受け取ることが可能』です。
ただし、退所後に継続して受給するためには定められた条件を満たしている必要があります。
傷病手当金継続受給の条件
傷病手当金を継続して受け取るには、いくつかの条件を満たしている必要があります。
その条件は以下の引用の通りです。
Q6:傷病手当金を受給していましたが、会社を退職することになりました。退職後の期間についても傷病手当金を申請できますか?
A6:次の2点を満たしている場合に退職後も引き続き残りの期間について傷病手当金を受けることができます。
(資格喪失後の継続給付)
- 被保険者の資格喪失をした日の前日(退職日)までに継続して1年以上の被保険者期間 (健康保険任意継続の被保険者期間を除く)があること。
- 資格喪失時に傷病手当金を受けているか、または受ける条件を満たしていること。
(なお、退職日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさないために資格喪失後(退職日の翌日)以降の傷病手当金はお支払いできません。)※資格喪失後老齢年金が受けられるとき
資格喪失後に傷病手当金の継続給付を受けている方が老齢厚生年金等の老齢退職年金の受給者になったときは、傷病手当金が支給されません。ただし、年金額の360分の1が傷病手当金の日額より低いときは、差額が支給されます。
全国保険協会(協会けんぽ)https://www.kyoukaikenpo.or.jp/
引用元のページはこちらです。
条件の解説
全国保険協会(協会けんぽ)のホームぺージから引用した内容を、簡単にまとめているので確認してみて下さい。
上の条件以外に前提として、傷病手当金の支給期間が残っていることや同一傷病名であることが挙げられます。
退職日までに1年以上の被保険者期間がある
健康保険に加入している期間が1年以上ある必要があります。
気をつけたいポイントは、あくまでも『健康保険の加入期間が1年以上』であることであり、就職してから1年以上ではない点です。
一般的には、就業初日に健康保険関連の書類をもらい後日提出することになるので、就業開始日を起点に考えると失敗する危険があります。
退職前に健康保険加入日をしっかり確認しましょう。
退職日の時点で傷病手当金を受けているか受ける条件を満たしている。
傷病手当金が支給される条件
- 業務外で起きたケガや病気で療養。
- ケガや病気で仕事に就けない。
- 4日以上仕事に就けない。
- 給与の支払いがない。
退職日までに傷病手当金を受給している場合は、それほど気にする必要はありません。
ただ、傷病手当金を申請予定の場合は、上記の傷病手当金受給条件を満たしているかを確認しておく必要があります。
特に気をつけたいのが、引継ぎや退職の手続きで出勤してしまうことです。
引き継ぎや手続きであっても、出勤して労務の記録や給与の支払いが発生すると、傷病手当金の継続受給の条件から外れてしまうので要注意です。
また、待期期間3日間が完成していない場合は、特に注意して引き継ぎや手続きは電話で行いましょう。
退職日に労務不能で休んでいる
退職日に仕事が出来ないため休んでいる必要があります。
労務をしなければ良いので、退職の挨拶程度は問題ないらしいのですが、万全を期するためにも挨拶にも出向かない方が良いでしょう。
また、業務の引継ぎなども電話で終わらせるか、職場のひとに家まで来てもらった方が安心です。
退職後に老齢退職年金を受給していない。
退職後に老齢退職年金を受給すると、傷病手当金の支給条件から外れてしまいます。
詳しくは、こちらの傷病手当金を受給する条件を確認してください。
その他の注意点!
退職後に傷病手当金を継続して受け取るときに、引越しとそれに伴う受診病院の変更がある場合は注意が必要です。
傷病手当金を受給するには、担当医師に就労不能な状態であることを証明してもらう必要があり、1日でも空白期間があるとそれ以降の給付が受けられなくなります。
病院としても初診日以前の状態は評価も就労不能の証明もできません。
退職に伴い受診する病院が変わる場合は、事前に準備を進めておき空白期間が生まれないように日程を調整しましょう。
傷病手当金の申請期限
退職してしまうと、傷病手当金の申請をどのタイミングで行えば良いのか迷う人もいるかも知れません。
傷病手当金の申請には時効があり『ケガや病気の療養のために働けなくなった翌日から2年で時効』となっていますが、これについてはあまり気にしなくても良いと思います。
基本的には給与のかわりに受給すると考えて、毎月の病院受診時に医師記入欄を書いてもらい、そのまま郵便で郵送して提出すれば良いでしょう。
医師記入欄が後日、自宅に送られてくる場合は、それを受け取った後で郵送します。
退職後は職場記入欄は、空白での提出となるので、記入するのは、被保険者と医師の記入用紙だけになります。
naviは、毎月10日前後に受診して前の月の1日~30日、31日の分を受給出来るようにしていました。
2回目以降の申請でも、書類提出から手当金の支給までに1~2週間かかるので上手く調整しましょう。
筆者(navi)の体験談
筆者(navi)は、転職後に線維筋痛症を発症し長期の療養に入りました。
収入がなくなったので、借金と傷病手当金を利用して生活を維持することに!
療養生活が4ヵ月を超える頃になると、上司から電話で「療養してもいつ回復するか分からないので、退職しては?」と言われました。
上司や同僚の気持ちは痛いほど理解できるので、退職を決意したのですが問題になるのは傷病手当金を退職後も受給するための条件です。
職場が提案して来た退職日に対して、naviは『1.被保険者期間が1年以上』を満たすために2ヵ月ほど不足していました。
なので、退職の意思があることは前提として伝え、『1.被保険者期間が1年以上』を満たすために退職日を変更して欲しいことを説明!
最終的には退職日の変更が受け入れられて、無事に条件を満たすことが出来ました。
ここまでで退職後に傷病手当金を継続して受け取る条件は満たせていましたが、万が一に備えてデスクの片づけは同僚に依頼して、退職日にも挨拶には行きませんでした。
出来れば退職したくなかったのですが、申請書類の作成には職場の協力が必要なので、機嫌を損ねても仕方ありません。
話合いで、互いに妥協できる点を探っていきましょう!
記事の振り返り:傷病手当金は退職後も受給できる!ただし条件アリ‼
本記事では、傷病手当金が退職後も受け取れることや、そのための条件を解説しました。
退職してしまうと取り返しがつかない条件もあるので、退職する流れになった場合は職場の担当者と話し合い、条件を満たせるように行動しましょう。
上記の条件のなかで『1.被保険者期間が1年以上経過』と『2.傷病手当金を受け取る条件を満たしている』『3.退職日に労務不能で休んでいる』は退職後に取り返しがつかないうえに、見落としがちなので特に注意してください。
naviは『1.被保険者期間が1年以上経過』が満たせていなかったので、交渉して在職期間を2ヵ月のばしてもらいました。
まとめ
今回の記事では、傷病手当金が退職後も受け取れることやそのための条件を簡単に説明しました。
最後にこの記事の要点をまとめます。
本記事のポイント
- 傷病手当金は退職後も1年6ヵ月経過するまで受給可能。
- 退職後の傷病手当金受給には条件がある。
- 条件が満たせていない場合は、職場の担当者と相談して対応する。
- 待期期間3日が完成しない場合は、退職日付近に職場に出向かない!
- 待期期間が完成していても退職日に職場には出向かない方が良い!
日本人的な感覚で、退職日付近には業務の引き継ぎや最後の挨拶で職場に行きたくなりますが、万が一にも条件を満たせなくなると大変です。
退職が決まった場合は、退職後の傷病手当金受給を優先に考えて行動してください。
退職後の自分の収入がかかっていると割り切って、引き継ぎや片付け、最後の挨拶などは電話で行い、職場に出向くのは退職後の調子が良い時にしましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
本記事が、退職後の傷病手当金のことで悩んでいる、多くの人の役に立てば幸いです。
naviは引継ぎとデスクの片づけを同僚に頼み、最後の挨拶は電話で済ませました。
退職後にお菓子を持って挨拶に行きましたが、別に何も言われませんでしたよ♪